頬杖や睡眠時の横向き寝、うつ伏せ寝など、私たちが生活習慣の中で無意識に行っている姿勢や些細な癖によっても、歯や顎に大きな力がかかってしまうことがあります。この無意識に行っている姿勢や癖を「態癖(たいへき)」といいます。
実は歯には、たった数gの弱い力で動いてしまう性質があります。弱い力でも継続的に加わると、歯を支えている骨は形を変え歯が動きます。これを利用しているのが矯正治療です。
人間の頭の重さは体重の約10%、50kgの人では頭の重さは約5kgです。頬杖や横向き、うつぶせ寝をしている時、顔や顎、歯には頭の重さ分の力がかかっています。この力は矯正治療の数十倍の力で、長期に渡って間違った方向に力が加わると知らず知らずのうちに歯が動き、歯ならびや咬み合わせが悪くなってしまいます。そして顔には歪みが生じ、ひいては全身の姿勢のねじれや歪みにつながる可能性があります。
永久歯に生え変わる成長期のお子さまは、歯が動きやすく、咬み合わせを左右する大切な時期であるため、特に注意が必要です。
態癖には、
・頬杖
・口呼吸
・うつぶせ、横向き寝
・爪咬み、指しゃぶり
・唇を咬む・吸う
・片噛み
など… 様々なものがあります。
上記のような癖もそうですが、
・カバンをいつも決まった片側で持つ
・立っている時に片側に重心がかかっている
・テレビを見ながらの食事
なども態癖のひとつになります。
普段、何気なく無意識に行っている仕草や癖が、実は歯ならびに大きく影響を与えている場合があります。ご自身やお子様に当てはまるものがないか一度チェックしてみてください。